接合プロセス工学研究室

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神戸製鋼所

KOBE STEEL

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関口さん(2020.3 博士課程前期修了)
①部署
溶接事業部門 技術センター
②仕事内容
当社は鉄鋼の印象が強いと思われますが、私の所属する溶接事業部門では溶接総合メーカーとして、溶接材料や溶接機、溶接ロボット、溶接周辺機器を開発し、それらを組み合わせた溶接システムを、建機メーカーや造船所、鉄骨・橋梁ファブに数多く提供しております。
私は現在、神戸製鋼所藤沢事業所でアーク溶接機の開発を行っております。溶接機開発では、電気回路や制御のみならず、溶接冶金や溶接施工、情報通信、ロボットティーチングなど様々な知識が求められます。私も日々勉強の毎日ですが、溶接システムについて最も広く関われる仕事でもあるため、やりがいを感じております。
③大学研究室の思い出
いわゆる大人の事情で、私はB4の時しか接合プロセス工学研に在籍しておりませんが、大変濃い内容の1年間であったと記憶しています。当時、厚板の立向溶接の研究テーマを扱っておりました。実験は、扉くらいの大きさの鋼板を2枚、側面が合うように立て並べ、その隙間を埋めるようにレーザ熱源とホットワイヤで溶接していきます。実験装置もかなり大がかりで、1回の実験で3,4日かかる大変根気のいる研究でした。ただ一方で、その1回から実験データがたくさん得られるので、実験が無事終れば、あとはデータ整理をしながらゆっくり過ごすという、メリハリが効いた研究生活であったと思います。
添付写真の1枚は、同じ研究パートナーだった博士学生と撮ったものです。留学生ということで、コミュニケーションは英語中心で初めは苦労したのを覚えています。しかしながら、一緒に実験を行い、苦楽を共にしていると徐々に会話にも慣れていき、結果的には研究室を離れたあとも定期的に飲みに行くくらい良い関係でした。今では大変良い経験になったと思います。
④後輩にメッセージ
・研究室選択中の学生さんへ
接合は、現象そのものは数センチメートルサイズの小さな領域で起こりますが、その背景には多くの機械工学の知見が潜んでいます。
接合プロセス工学研では、自動車や船舶、プラント、高層ビル等の製造に必要な接合技術が学べるのはもちろんですが、研究を通して、これまで一類で学んだ知識を実践する機会がたくさんあります。具体的には、接合部の組織観察や機械的特性評価、実験治具の製図や製作、熱・応力シミュレーション、さらには接合装置を動かすためのシーケンス制御やロボット操作など、エンジニアであれば就職後もきっと役に立つ経験が積めます。是非、検討してみてください。
・接合プロセス工学研の学生さんへ
当社では、例年春頃に各事業部門の雰囲気を知って頂くために工場見学会を開催しております。溶接事業部門では藤沢事業所の方で見学会を実施しており、研究開発の現場や溶接材料・ロボットの製造工程見学、当社研究員との座談会を行っております。溶接事業部門に少しでも興味がございましたら、是非ご参加頂けると幸いです。
研究活動等でご都合が合わない場合は、別途個別での見学も可能です。その際は、山本先生経由でもご連絡頂ければ対応致します。
藤沢事業所のある神奈川県藤沢市の周辺は、江ノ島や鎌倉などの観光スポットで有名です。広島からの移動ですと、前泊付きとなりますので、前日は周辺散策をしてみるのも良いと思います。(私も当時こっそり江ノ島に行きました。)
~ 2021.6 ~